856 名前:無名草子さん[] 投稿日:2014/01/18(土) 13:34:18.56
[いつ読んだ]
20年前ですが、その当時の新刊ではなく、1970~1980年代中頃に出版されたものと思います。
[あらすじ]
昭和20~30年代、日本のどこかの港町の売春宿。
20代の主人公は夜な夜な船乗りたちを相手に売春して日銭を稼いでいる。
親友である同僚のA子は、肌が白くて清純な容姿でとても人気がある。
主人公は客の一人であるBに恋愛感情を抱いているが、思いを伝えることができない。
そんなある日、A子が首吊り自殺する。実はA子は梅毒に感染していて、それを悲観して自殺してしまったらしい。
梅毒はこの地域では珍しくなく、売春宿の亭主は「今年に入ってX人目や。どいつもこいつも首つりよる」とつぶやく。
主人公は常日頃からコンドームを付けて予防することをA子とも話し合っていたので、意外で仕方ない。
「なんでや。予防を怠ったんかいな。バンコクのインターナショナルな梅毒かて、予防すれば大丈夫なんや」。
A子の遺品を整理していると、みすぼらしい日用品と60万程度しかでてこなかった。
「2年間ほぼ毎日股を開いて60万の貯金しかなかったんか。その60万で治療できんかったんか」とやるせない気持ちになる。
A子が死んで、常連客だった船乗りたちは悲しむ。そのなかにBもいた。
Bと海岸で歩きながらA子の死因は梅毒であったこと、さらに、嘘をついて自分も梅毒に感染していると伝える。
「うちの血、膿でどろどろなんよ」。
それを聞いたとたん、Bは汚いものを見るような目になり、主人公のもとを去っていく。
主人公は、これからもこの港町で、この生活を続けていくことを予感する。
[本の姿(ハードカバー・ソフトカバー・文庫等)・装丁・挿絵]
ハードボイルドな感じのイラストだったと思います。
カッパブックス?みたいな、ハードカバーではないのですが縦長の形だったかと。
[その他]
小3のころ、父親の本棚から見つけて読みました。とにかく台詞回しが生き生きとしていて印象に残っています。
下品でどうしようもない港町、救いようのないラスト。トラウマになりました。梅毒には気をつけようと心に誓いました。
もしかしたら、西村寿行かとも思うのですが、検索に引っかかりません。
この本のタイトル(題名)教えて! その11
http://toro.5ch.net/test/read.cgi/books/1352499662/856