298 名前:無名草子さん[] 投稿日:2006/06/21(水) 11:05:59
[いつ読んだ] 13~4年くらい前に図書館で借りた
[あらすじ] 数人の兄弟(少なくとも兄と姉1人ずついる)の末っ子だった男の子が主人公。
お母さんは主人公だけを可愛がっていて、主人公1人だけを連れ、
他の子を元の家に置き去りにしたままちょっと離れたところに住む男と再婚して暮らしている。
その男との間に弟が1人生まれる。
毎晩、主人公の兄が酔っ払って鉈を持ってやってきて「お前ら全員殺してやる」とかって
自分達を捨てた母親を責めて騒ぐ。母は「殺すんなら殺せ!」とかいって応戦。
でも兄は騒ぐだけで実際には何もしない。
主人公は新しい父や弟に対してその兄が恥ずかしいと思っている。
でも段々お母さんは弟だけを可愛がるようになり、今度は自分が疎まれ始め、
鉈を持って毎晩やってきていた兄の気持ちが実感できるようになる。
[覚えているエピソード] 弟は趣味で鳩を飼っていた。姉の1人が大阪で結婚していて、
姉のところに遊びに行った際、弟のために大阪中探し回って白い鳩を買って帰ってやる。
でも、家中で阻害されて、弟への恨みから鳩が死ねばいいと思うようになり、
「山椒の実を食べると鳩が死ぬ」と聞いたので、七味から山椒の実だけ取り出し、
その実をせっせと鳩の小屋に投げ込んでいる。
[物語の舞台となってる国・時代] 戦後の日本
[本の姿(ハードカバー・ソフトカバー・文庫等)・装丁・挿絵] ハードカバー
赤い装丁で2段刷りなのに結構分厚い本でした。目次にいくつも題名が書かれており、
短編集だと思って借りたら全部同じ設定の一続きのお話でした。
あまりにどろどろした暗い話で鳩のエピソードのあたりで挫折したため、
その後の結末などはわかりません。
七味に入ってる山椒の実を見るたびにこの話の、鳩小屋の前にうずくまって
自分のプレゼントだった鳩を殺そうと山椒を投げ込んでる主人公を思い出して嫌な気持ちになります。
私小説っぽかったし結末なんかないのかもしれませんが、結局どうなるのか全部知りたいです。
ご存知の方お願いします。
この本のタイトル(題名)教えて! その4
http://book3.5ch.net/test/read.cgi/books/1142692218/298
当記事のコメント欄でプチトマト様に情報をご提供頂きました。
収録作品:中上健次全短篇小説/中上 健次 – 紙の本:honto本の通販ストア
https://honto.jp/netstore/pd-worklist_0600295709.html
目次有り
中上健次全短篇小説/中上健次‹‹古書 古本 買取 神田神保町・池袋 : 夏目書房
http://www.natsume-books.com/list_photo.php?id=295228
表紙画像有り
中上健次さんの来歴に一致しており(wikipedia参照)、書籍名は不明ですが、中上健次作品であることは間違いないと思います。
プチトマト様
おお!大ヒントをありがとうございます。
お兄さんが酔って凶器を持ってやってくる話は実話なのですね…… 驚きました。
作家の自伝
https://www.amazon.co.jp/dp/4820595245
この商品の説明にある「十八歳」「十九歳の地図」「鳩どもの家」「枯木灘」のどれかかもしれませんね。読んでみたいと思います。
途中経過を報告します。
「鳩どもの家」を確認し、
・大阪で鳩を買ってくる
・鳩に山椒の実を与える
エピソードを確認しました。
『中上健次全短篇小説』(1984)が赤い表紙、二段組に当てはまるようですが、もう少しよく調べてみたいと思います。
中上健次全短篇小説
https://aucview.aucfan.com/yahoo/g1018291511/